上田正樹 OSAKA
osaka
Mu-ZaがCDレーベルを作りました。その第一弾「上田正樹 OSAKA」が完成。これはそのレビューです!


上田正樹は団塊の世代である。歌手として世に出てからだけでも既に40年以上経っている。そんな上田がニューアルバムを録音した。

昨夜マスタリングが終わった白盤が届いた。
収録曲は
1)スルー・ザ・ナイト
2)扉を開けろ!
3)悲しい日々
4)お前を救けにゆく
5)大阪へ出て来てから
6)可愛い女と呼ばれたい
7)むかでの錦三
8)星空の下で*
9)そして大人の風の中へ*
10)わがまま
11)悲しい色やね
12)シング・マイ・ソウル
Bonus Track Somewhere Sometime*

* が新曲。他は既に彼自身によって何度かレコーディングされていた曲。

一言で言うと新鮮味溢れるアルバムとなった。馴染みの曲、彼自身何度も何度も歌ってきた曲達だが、まるで始めて録音されたような全く新しい味わいで歌われている。

アルバム制作で上田がこだわり続けたのは「グルーブ」だ。日本語を如何にグルーブに乗せるか。そしてもう一点、歌謡曲もどきのメロディーを持った曲を如何にR&Bとして仕上げるか。
これを出来るのは俺しかいない、この強烈な自負心がOSAKAを彼のベストアルバムに仕上げた。

「歌は中々上手くならない。一年にティッシュ一枚くらいしか上手くならへんね。」
そういう上田が積み重ねてきたティッシュ40枚分の歌唱力―発声・感情移入・グルーブ・人間性―が一気にこのアルバムで吹き上げた。

スルー・ザ・ナイト、扉を開けて!と最高に気持ちの良いグルーブを聞かせてくれた後は「悲しい日々」。サウス解散後ソロで始めて制作したアルバム「上田正樹」(Kitty Records)に収録された名曲だ。当時は残念ながらヒットせず知る人の少ない曲だが収録しようと言う僕の提案に全員が文句なく賛成してくれた。まさに埋もれた名曲が甦った。

そしてアルバムは4曲目で早くも最初のクライマックスを迎える。
「お前を救けにゆく」。この歌を聴いて感動しない人がいるだろうか?こんなに訴えかけてくる歌唱を僕は知らない。「極限まで絶叫するから最後に採ろう」となった曲だがレコーディングは圧巻だった。(余談だが上田は余りこの曲をステージで歌いたがらない。理由を聞いたら、、「聞いてる人が本気になってな、助けてくれと言いに来るねん」確かにそんな気にさせてしまう上田の歌だ)

4曲でアルバム一枚分の充実感を感じてしまうのだが、ここから第二部が始まる。

「 大阪へ出て来てから」「可愛い女と呼ばれたい」
今でも人気を博すアルバム「ぼちぼちいこか」から二曲。「元の完成度が高いから」と編曲の養父貴を悩ませた曲だが、いやはや素晴らしいアレンジを施したものだ。ジャージーな羽仁知治のピアノ、センス抜群、養父自身のギター、スコットのスゥインギーなドラムス、ベースの樋沢龍彦は「可愛い、、」でアコースティックベースまで聞かせてくれる。バッキングだけでも充分楽しめるのだが、、これに御大の歌が乗った日にゃぁ、あなた、こりゃたまりません!!

そして、、ファン待望サウス時代の看板曲「むかでの錦三」。馴染みのイントロだけでゾクゾクしてくる。本人収録を嫌がるのでは、、と思ったが「今回のアルバムは今まで応援してくれた人へのプレゼント。喜んで歌う」と言ってくれた。
むかでの錦三はずいぶんと貫録を付けて戻ってきた。

次の二曲はアルバム初収録。
「星空の下で」は藤山直美さんの舞台のために上田が書き下ろした曲。ステージで度々披露し、人気のある曲だ。燦めく星を彷彿とさせる養父のギターが光る。
「そして大人の風の中へ」島田紳助作詞、BORO作曲。紳助の特番「カシアスレコード」で生まれた曲。当初スタッフの誰もが収録に難色を示したが、番組の中でレコード化を約束していたし、紳助との友情を示したいということで録音が決まった。そして、、バッキングを聞いて僕らはびっくり。BOROには申し訳ないが上田が歌うにはあまりに単純な曲、と思っていたのだが養父貴が素晴らしいアレンジで曲の良さを引き出した。そして上田もこのメロディに日本語詩をいかにリズムに乗せるか腐心し頑張った。収録曲中一番テイクを重ねた。その甲斐あってミディアムテンポの気持ちの良い作品に仕上がった。
ここだけの話だが、歌入れ途中キー坊は「(こんな曲作りやがって)BOROの馬鹿野郎!」と叫んだ。。。。

さてここからバラードシンガー上田正樹の神髄が聞ける。
まずは「わがまま」。これまでも何度か養父アレンジに触れたが、今回の作品の素晴らしさは彼に依るところが大きい。美しいアコースティックギターのイントロに導かれストリングスが寄り添う。囁くように上田は間奏を挟まずラストまで一気に物語を歌う。途中聞こえてくるピチカートは涙の雫を思い起こさせる。大人のラブソング、ここに完成。

いやがおうにも歌わなければならない曲「悲しい色やね」。同じ曲を何度も何度も歌い、録音するのは大変な事だと思う。今回上田はこの曲の持つメロディーの良さを大事に歌ってくれた。作曲の林哲司が上田が歌う自分の曲を聴いて「歌謡曲がブルースになった」とかって評したが、、、その曲をドラマティックに歌い上げる上田正樹にはただただ脱帽だ。

OSAKAのラストソングは「シング・マイ・ソウル」。まさに上田正樹の生き様そのままの曲。

世界に出るんや、と夢を追い続けるおじさん。そしてそれを応援しようと集まった何人かのおじさん達が企画制作したこのアルバムは素晴らしいミュージシャンのサポート、沢山のファンの後押しを得て上田正樹の最高傑作となった。

歌に乗せるグルーブ、リズム、訴えかける感情。こんな事をやってのけた歌手はFrank Sinatraを置いて他に知らない。Ray Charlesは、、、越えたと思う。

(ボーナストラック「Somewhere Sometime」はNHK土曜ドラマ「新・マチベン」の主題歌。ドラマのプロデューサーはクラプトンをイメージして上田を起用した。この上田、中々格好良い!)

OSAKA
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