深水郁ライブ opening act:町田直哉
名実ともに熟練したアーティストの出演が多いMU-ZA。
この日はそんなMU-ZAに、新しい風が吹いた。

深水郁(ふかみあや)。オリジナル曲のピアノ弾き語りで地元福岡から全国に向けて活動している新進気鋭のアーティストだ。オープニングアクトを務めたのは、鹿児島在住の21歳のギタリスト・町田直哉。二人とも、MU-ZA初登場だ。

ギタリストの押尾コータローに憧れ、高校時代から独学でギターを弾き始めた町田直哉。タッピング奏法を取入れた彼の演奏は、時にボディを叩いたりしながら、一人で弾いているとは思えない程、複雑な音を奏でる。
彼が18歳の頃から、時おり彼の演奏を聴いてきたが、この日の彼には驚かされた。半年ぶりに生で聴いたギターは、テクニックもさることながら、一音一音に深みが増している。若さが放つエネルギーが、よりリリカルに、深淵な音を奏でている。カバー曲の『鳥の唄』でスタート、いきなり切なさが見え隠れする情熱的な音が語りかけて来る。それから「オネスティ」「戦場のメリークリスマス」、オリジナル曲と全5曲を披露。ギター1本でこんなにも様々な表現ができるんだなぁ。ギターという楽器に対する概念を、いつも気持ちよく覆してくれる町田直哉。
「きれいな女性とギターが目の前にあったら、ギターを見てしまう」と言う程のギター好き。気がついたら朝までギターを弾いているという彼の、その進化はすさまじい。

続いて、深水郁が春のそよ風のように登場する。彼女と逢うと、いつも心に清々しい風が吹くような感じ、きれいな存在感を持った美しい女性だ。
しかし、演奏が始まると次第にその空気感が変貌してくる。
「熊本の菊池渓谷をイメージして作った曲です、キクチ」そんな言葉からライブは始まった。渓谷のシンとした空気、渓流の激しさ、迸る水‥目の前に渓谷が広がる。ピアノの旋律が、渓谷の多様な風景を紡ぎだす。すごい表現の力。この1曲で、MU-ZAがふかみあやの色に染まった。
それから「かりんとうのうた」。眠れない夜にかりんとうを食べました。ただそれだけの歌詞なのに、音の表情が実に豊かで、胸がきゅんとしてくる。個人的にとても好きだったのが「満たされてゆく」というナンバーでは、心いっぱいに愛が広がり切ないぐらい幸せな気持ちになる(これは友達の結婚式のために作った曲なのだと後から聞いて、至極納得)。

彼女の楽曲は物語のようだ。シンプルな歌詞とたくさんのピアノが絡まり、ひとつの世界が誕生する。人呼んで「コンテンポラリーわらべうた」。
また、クラシックを経てきたゆるぎない実力のもと、彼女はピアノを弾いたり叩いたり、様々な奏法を用いる。時には、自身で編み出した“彌生弾き”(アーティスト草間彌生の作品にインスパイアされて生まれた奏法らしい)という、両手をドラえもんのように丸くして、鍵盤を右に左に一気に、こするように叩いていく奏法も。
彼女の中には、私たちには知り得ないもうひとつの宇宙が確かに存在してる。その中にはたくさんの渦がたゆたっていて、それが彼女自身の持つ清々しい透明感を通して、外に放たれる。私はすっかりその渦のかけらの虜になった。

ライブを終えて、満点の笑顔でぎょうざを食べている彼女を見ながら、「大人のためのグリム童話」のような人だと思った。

ピアノのみならず、絵画でも自己表現をしている彼女、この日は「海の中のいきもの」と「お宮参り」という2作品がステージを彩った。
さとP

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